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おしらせ

=第8回日本植物学会賞(2011)の選考結果=

<特別賞>
特別賞は植物科学や植物学会の発展に貢献のあった個人や団体を、分野や年齢を問わず選考して顕彰し、さまざまな面から植物科学の活性化をはかろうと創設されたものです。今年度は「技術」「教育」「その他」の分野で、評議員から6件の個人や団体の推薦がありました。各候補について2段階評価を行い、その集計結果をもとに選考委員会では評価の高かった候補者を中心に選考を行いました。

授賞者:教育目的遺伝子組換え実験支援者グループ
「遺伝子組換え植物に関する研究基盤構築と理解増進に関する貢献」

遺伝子組換え植物を用いる実験は、現在の植物科学にとって不可欠の要素となっており、さらに、遺伝子組換え作物や様々なバイオテクノロジーへの応用を通じて、社会にも大きな影響力を与えています。この新しい実験技術が我が国で普及してきた背後には、技術開発ばかりではなく、その新しい技術を受け入れるための国内法令の整備や、社会的受容を促すための教育普及の努力がありました。鎌田博教授をはじめとする「教育目的遺伝子組換え実験支援者グループ」は、様々な機会を捉えてこの革新的な技術の普及に必要な国内規定や関係法令の整備に貢献し、さらに、我が国の初等中等教育に「遺伝子組換え実験」が普及する契機となる様々な支援を行いました。2001年から2010年までの間に筑波大学と東京農工大学で開催された「組換えDNA実験教育研修会」は27回におよび、日本全国からこれらの研修に参加した中高等学校の教員数は608名にのぼります。これらの研修会で蒔かれた実験教育の種は、その後、多くの中高等学校に直接・間接の影響を与え、今では全国で毎年1万人以上の生徒が遺伝子組換え実験を経験していると推定されます。これら一連の献身的な努力は、我が国の遺伝子組換え植物に関する研究基盤構築と理解増進に大きく貢献しており、植物学会の特別賞にふさわしいものと高く評価されました。

http://bsj.or.jp/osirase/osirase_open.php?shu=1&did=411